DIATONE

DIATONE P-610Aの歴史とエッジの修理

【DIATONE P-610A】

今回はダイヤトーンの小さな名機のモニターP-610Aのとても深い歴史やシステム、エッジの張替方法や、見栄えを向上させる簡単カスタムまでご紹介も致します。楽しい内容となっておりますので、是非最後までお付き合い頂けますと幸いです。

目次

●歴史

●スペック

●エッジの張り替え

●簡単カスタム

【歴史】

P-610Aが生まれるずっと祖先のシステムが1945年、世界第二次戦争が終わり、みんながラジオに耳を傾けていた時代、ラジオ用スピーカーの事業計画をたてた事から歴史が始まります。1946年には、ダイヤトーン最初の製品D-60形のスピーカーが完成。

そして翌年には、NHKとの協力を受けとても忠実性の高いP-62F型の誕生です。当時、NHKの放送用モニターとして使われていた8インチのMAGNAVOXに変わって、国産初のモニタースピーカーの採用となりました。

そして1950年には、P-65F形となり、1954年にP-60F形へ。

1958年に610シリーズの原点P-610が完成します。

この上記のユニットはブログを書く上で絶対手に入れたかったユニットですが、どこを探しても見つからなかったです。いつか手に入れたら写真を追加します。

NHKのB.T.S規格(放送技術規格)で作られた物が、今回のメインP-610Aになります。
A、AT、AJと3パターンありました。

トランスを背負っているATは、トランス付きで600Ωの高インピーダンスにて、トランスを外すと16Ωになり、Aタイプはそれぞれ16Ωとなります。

AJは、JIS(Japanese Industrial Standards)規格品とし、日本の産業製品に関する規格、測定方法など定められた日本国家規格にて、16Ωです。
P-610Bも、JIS規格品とし、8Ωとなっています。

音質、特性では、美しいフラット特性を実現し、ロクハンとは思えない音質の、ダイナミックで繊細な忠実性の高いスピーカーとなります。

【スペック】

仕様 16㎝ フルレンジ
定格入力 3W
インピーダンス 16Ω
低域共振周波数 80Hz
再生周波数帯域 80Hz~13,000Hz
出力音圧レベル 91㏈/1m
ボイスコイル直径 1.92㎝φ
磁束密度 10,000gauss
重量 750g





【エッジの張替】

加水分解で、粉末になってしまったエッジを張り替えていきます。
P-610のエッジの張替は、平らなスポンジですので、簡単に見えますが、エッジの張替の中でも難易度は高いと思います。理由としましては、コーン紙からボロボロになってしまったエッジを剥離する際、コーン紙は非常にもろく、破れやすい状態です。その為、溶剤を使わなければ、接着剤がかなり強力についている為、剥がれません。綺麗に剥がし、もともと経年と共に日焼や保存状態によって変色しますが、溶剤によって変色してしまったコーン紙を音質に変化がない着色剤を使用し、着色を行わなければいけません。ただ貼ることは簡単ですが、違和感なく貼るということが重要になります。

溶剤を使い、パッキンを外していきます。無理な力で引っ張ると簡単に傷めてしまいます。時間をかけて溶剤を染み込ませ、外していきます。

綺麗に外れたら、フレームについている接着剤や、エッジのゴミを溶剤とピンセット、綿棒を使いとっていきます。初めに外した紙のパッキンにもゴミがついていますので、そちらも綺麗にとっていきます。パッキンは、紙ヤスリでこすると簡単に綺麗にできます。

次は、一番難易度が高いコーン紙についている、接着剤、エッジのゴミを取り除いていきます。この部分で、全ての仕上がりが決まります。ゴミが残っていれば段差が付き、見栄えが非常に悪くなります。
溶剤を使用し、ボンドを柔らかくし、ピンセット等で丁寧に時間をかけ、綺麗に外していきます。

エッジを貼る前にエアーブローを行い、埃を完全に除去し、エッジを張っていきます。
今回張るエッジは、オリジナルのポリエステル系のエッジではなく、加水分解を起こさないポリエーテル系のエッジになります。このエッジの成分によって起こる加水分解について、別の記事、エッジの紹介でまとめてあります。合わせて読んで頂けますと幸いです。

着色作業を施し、エッジを張っていきます。張り替えはコーン紙側から、張っていくと、センター出しの調整が楽になりますし、綺麗に張ることができます。エッジの目があらく、スケスケなのでボンドが透けて白くなっていますが、乾くと透明になり、馴染みますので大丈夫です。

フレーム側は、コーン紙側が乾いたら作業を行います。フレーム側では、ボイスタッチを起こさないよう、確認し、エッジが大きいようでしたらハサミ等で調整しましょう。センター出しを行い、ボンドを塗って、センター出しを念入りに行い、紙のパッキンを張り、軽い重りをのせて1日乾かして完成です。とても綺麗にエッジの張替ができました。

P-610Aでは、エッジは表張りで、強力なボンドで付いています。その為、手を抜けば仕上がりに出てしまいます。ごまかしの効かないユニットとも言えます。

ボンドはボンドの中に含まれている成分によって、金属を腐食させてしまうボンドがあります。この記事以外にもエッジの張り替え方法などの記事をまとめてあり、ボンドについて詳しく書いてある記事もございますので、合わせて読んで頂けますと幸いです。

【簡単カスタム】

エッジが綺麗になったところで、簡単にできるカスタム方法のご紹介です。P-610Aのエッジを支える紙パッキンに薄いコルクシートを張るだけなのですが、見栄えは大きく変わります。オリジナルという概念から外れてしまいますが、楽しむというコンセプトでは、とても美しくする事ができます。黒いバッフル板ではユニットを強調できますし、また簡単にオリジナルに戻すことができます。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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