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スピーカーエッジの張り替え方法 上手に張り替えるコツ

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オーディオ全盛期に使われていたポリウレタン系のウレタンエッジや、ポリエラストマーのエッジは、加水分解を起こし現在は割れてしまっているものが殆どです。今回はボロボロになってしまったエッジを誰でも上手に張り替えができるよう詳しくご紹介致します。

エッジの販売を開始致しました。適合するエッジがあるか是非探してみてください。今後いろいろなバリエーションを増やしていきます。

サイズなどわからないかと思いますので適合サイズの読み方から、作業に必要な工具、怪我をしない為の注意点など、沢山の種類のスピーカーがありますのでそれぞれ仕様に合わせてご紹介致します。是非この記事を最後まで読んで頂いて、参考にしてもらえたら嬉しいです。

●パッキンの種類と外し方

 

エッジを固定しているパッキンを外します。パッキンにも沢山の種類があり、そのシステムに合わせて作られています。ゴムタイプの物や紙、ウレタンタイプの物まで様々な種類があり、取り付けは基本的に接着剤で固定されています。

外し方は、少し溶剤を使うと外しやすいのですが、シンナーやアセトンを持っている方はあまりいないと思いますので、今回は一切使わないでご紹介します。

接着剤で固定されているのでカッターがすんなり入るようならカッターを使い、カッターが入っていかない場合はマイナスドライバーを根本に差し込んで浮かしていく方法が簡単だと思います。無理に手で引っ張ったりすると破れるので少しづつ優しく外していくことが重要です。

怪我をしない為にカッターやマイナスドライバーの力を入れる方向先に手を置かないようにしてください。不意に外れた時に怪我しますので十分に注意して作業してください。

●おすすめ使用工具

 

マイナスドライバー
幅が大きいと入りづらいです。幅5mmくらいのものが作業しやすいです。

カッターナイフ
安価な物でもできますが、精密な作業になるのでガタのないしっかりしたものが理想です。作業は刃の幅が10mmのものが個人的には作業しやすいです。

回転台
接着剤を塗る時にあるととても作業しやすくなります。重量あるものまで対応している回転台があり、価格も安いのでおすすめです。

エアダスター
コンパクトで、古いエッジカスや、日常でもオーディオの掃除ができるのでとてもオススメです。

コンプレッサーのいろいろなツールを使って、バリエーション豊富な作業をしたい方は下記にコンプレッサーについてまとめた記事がありますので参考にしてください。

オーディオ機器のメンテナンスに役立つコンプレッサーおすすめ いろいろな用途に使えるツールの紹介

●古いエッジの除去

 

古いエッジをいかに綺麗に取り除くかとても重要な部分になります。古いエッジカスが残っているとエッジの接着不良や浮きだけでなく、ボイスタッチを起こす原因になり、音質まで低下させるとても重要な作業になります。

パッキンを外した跡の古い接着剤とエッジ、コーン紙についている古いエッジを振動板を傷つけないよう丁寧に取り除いていきます。

表が綺麗にできたら裏側のエッジも綺麗に取っていきます。この裏側を綺麗に外さないと接着剤が浮いてしまう原因になるので写真のように丁寧に取り除いていきます。刃を寝かせてスライドさせるようなイメージで作業を行います。

古いエッジカスはきちんと取り除くことがとても重要です。

●適合エッジサイズの選び方

 

エッジを選ぶ際に重要な部分はこの二つの寸法になります。コーン紙の直径(ロール内径)とパッキンの内側の寸法であるエッジのロール外形の寸法が重要になります。基本この二つのサイズが合えば使うことができます。一番外側のエッジの貼り付け部分が大きい場合がありますが、その場合ハサミでカットすることで調整することができます。

●おすすめの接着剤

 

ゴムエッジもウレタンエッジにも使える接着剤をトーンクオリティから出しております。こちらの接着剤の主成分はアクリルタイプになります。

エッジ張替えやメンテナンスに使える多用途 おすすめの接着剤この記事ではスピーカーのいろいろなメンテナンスに多用途に対応できるおすすめの接着剤をご紹介します。網を取り付ける際や、紙パッキンを修復する時など、いろいろな用途でご利用頂けるメンテナンス、エッジ張り替え用、多用途ボンドを紹介致します。...

適用素材は、ウレタン、グラスウール、発泡スチロール、ゴム、ポリプロピレン、金属部にもしっかり固定できます。

完全にカチカチにならないので不要共振を起こしにくいです。普通の接着剤では無く、スピーカーのプロの設計士も使っている接着剤ですのでご安心ください。

作業する時も、又外す時もとても容易にできます。凄く詳しく別記事でまとめてますので合わせて読んで頂けると嬉しいです。

エチレンが主成分の木工用ボンドは、フレームの金属部やゴムに付きにくい性質があり、又カチカチになりすぎてしまう為、おすすめしません。

またDBボンドも同様にカチカチになるほか、上記のボンド共に、溶剤でも溶けない為、次回エッジを張り替える際などに修理できなくなりますのでおすすめしません。

 
 
 
 
 
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●新しいエッジの張替え

 

まずは振動板側のみの作業です。上記接着剤を使うとノズルが長いので筆要らずで作業できます。回転台を利用することで一定のスピードで一定量の接着剤を引くことができます。

エッジを先にセットして、回転台を回しながら一定に接着剤を出して、一本の線を引くイメージで接着剤をのせていきます。

のせ終わったら指で振動板の後ろ側とエッジを指圧して、余分な接着剤を取り除いていきます。はみ出した分の接着剤をとることで、きちんと接着面に接着剤が一定量ついていることになります。

余分な接着剤を全て取り終わったら、センター出しをします。接着剤が白いうちは動かせますのでとても簡単にできます。センター出しをしたら接着剤が透明になって乾くまで待ちましょう。約1時間の休憩です。乾いたら再度指で指圧してきちんと固定します。

続いて外側も同じように回転台を使って一定量塗っていきます。エッジの端に隙間ができた時はそこから共振を起こすのできちんと接着剤を入れてください。

接着剤を塗り終わったらセンター出しをします。振動板の四点を押してボイスタッチを起こさない場所を探してください。外側の接着剤が乾いたらパッキンを付けて仕上げていきます。

最後に振動板とエッジの隙間から共振を起こしますので接着剤を適度に塗って仕上げて完成です。凄い難しいポイントではありますが、うまく塗ることができれば、わからないように仕上げることができます。

塗った後

乾燥後

難しいエッジの張替えも作業工程をきちんと理解することで上手にできるかと思います。一日乾かして塗れていない部分が無いかチェックして完成です。

●平型のエッジの張替えは動画にしました

 

●検証してみました

 

あまりに多く塗りすぎたり、左右で接着剤の量や、接着ポイントのズレによって簡単に左右の音色、特性を崩します。不要なユニットを使い接着剤の量を多く使用した物と丁寧に仕上げた物で実際に張り替えて特性を計測し検証してみました。

接着剤の量を多く塗りエッジの動きが鈍くなるだけで左右の特性がこんなにもずれるのが分かりました。いかに左右の特性を揃えることができるか難しいポイントです。チャレンジを考えている方の参考になれたらとても嬉しいです。

エッジの販売を開始致しました。適合するエッジがあるか是非探してみてください。今後いろいろなバリエーションを増やしていきます。

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