CORAL

CORAL FLATシリーズ 歴史とシステム紹介

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【CORAL FLAT8S/FLAT10S】

今回ご紹介するのは、コーラルの、フラットシリーズの8インチ(20㎝)と、10インチ(25㎝)の、ダブルコーン型フルレンジユニットのシステムや歴史のご紹介をしたいと思います。前回、コーラルの見えなかった誕生の歴史をご紹介しましたが、FLATシリーズにも誕生の歴史があります。今回は、手持ちにあります、FLATシリーズを使って、内部まで、ご紹介したいと思います。

目次

●FLATシリーズの歴史

●当時の価格

●スペック

●システム内部

●フラット10自作箱

【FLATシリーズの歴史】

CORALはもともと、コーン紙の専門メーカーです。福洋音響となったときに、マグネットの供給元である、住友特殊金属からの出資を受け入れており、マグネットメーカーとの関係も深く持っておりました。

OEMの増加で利益をあげつつ、コーラルブランドの市販ユニットを拡充していきました。

福洋音響からコーラル音響株式会社へと改称したと同時に、社内体制も大きく変わります。

マグネットの供給元であった住友特殊金属は、コーラルに増資し、子会社となります。その一方で、病身で会社を牽引してきた梅原洋一さんは、社長の座を住友特殊金属の能見修さんに譲ります。能見社長は、とても、親しみを抱く人柄だったようです。

そのあと、1968年に、CORALの傑作ベータシリーズ、1969年に、FLATシリーズが誕生します。

【当時の価格】

FLAT-8 4,400円
FLAT-8S 13,200円
FLAT-10 6,400円
FLAT-10S 17,200円

 

8S、10Sとは、専用の箱に入った、システム全体の価格となります。

●フラット8や、フラット10の単体で販売されているユニットと、システムとして組み込まれているユニットでは、少々、見た目と質が違う事がわかりました。フラット10の単体で発売されていたユニットを、当時もっておりました。その時の画像になりますが、磁気回路は、メッキ加工されており、フレームもシルバーに塗装され美しくなっています。

●システムに組み込まれているユニットは、磁気回路側にメッキ加工はされておらず、フレームも塗装されておりません。そして、ユニットの型式は【FLAT-8A】【FLAT-10A】になります。

【スペック】

  FLAT-8S FLAT-10S
仕様スピーカー 20㎝全帯域 25㎝全帯域
プログラムソース入力 30W 50W
インピーダンス 8Ω 8Ω
再生周波数帯域 45~20,000Hz 40~20,000Hz
出力音圧レベル 101dB/W 102dB/W
キャビネット形式 バスレフ型 バスレフ型
仕上げ ウォルナットポリウレタン ウォルナットポリウレタン
重量 14Kg 19Kg

ほぼ、同時期に登場した、ベータとフラットですが、フルレンジの頂点を目指した、ベータと、普及帯のフラットでは、まったく違ったコンセプトで開発されていました。当時、FLAT-6では、価格は3300円となっており、ベータ8の5分の一の価格でした。ですが、ベータのイメージもあり、FLATもとても人気のあるユニットとなりました。

この、ベータと、フラットの二大傑作のフルレンジによって、CORALは、フルレンジの頂点と言われるようになりました。

【システム内部】

●フラット8Sでは、590(H)×330(W)×290(D)の容量のエンクロージャーに、二本ダクトを付けた、バスレフ構造になります。発売から50年以上経過した後ろの木ネジは、根本まで錆びていてもろくなっている状態でした。内部の配線も劣化し、べた付きが目立ちます。

ユニットは、非常に綺麗な状態です。クロスエッジに、ダンプ材が塗られていますが、やはり硬化が見られました。これは、内部を見る前に、視聴した段階でわかっておりました。

低音の出方が鈍く、全体的に硬い感じがしていました。溶剤を使って時間をかけ、表面のダンプ剤を綺麗にする事で改善するかと思います。

●フラット10Sでは、660(H)×380(W)×330(D)の容量のエンクロージャーに、三本のダクトを付けた、バスレフ構造になります。こちらも発売から50年以上の経過で、後ろの木ネジは錆びていてもろくなっている状態でした。8S同様に、配線も劣化し、べた付きが目立ちました。

ユニットは非常に綺麗な状態ですが、点々としたカビが数個見られます。視聴した段階で、レスポンスの良い低音と、中域から高域にかけてもとても癖のない綺麗な音でした。フラット10では、ダンプ材は、塗られていないようです。エッジの状態も良く、ピストンがスムーズです。

【フラット10自作箱】

このシステムのずっと前にもフラット10を使用していました。同じサイズのエンクロージャーに、四角いバスレフ一本で制作した事があります。外観は、家の外壁用塗料で、コンクリート並みに硬くなる高級塗料を吹き付け塗装し、強度を向上させました。バスレフ一本の方が低音も、個人的にまとまったようなイメージになり気に入っていました。箱の制作をお考えの方がおられましたら、参考の一部にして頂けますと幸いです。

今回は、CORALのフラット8、フラット10の紹介となりましたが、CORALという会社が、20年以上も前に、無くなってしまった現在でも、沢山の方に愛されているメーカーです。スピーカーの歴史を作ってくれた、各メーカーのユニットをこれからも、歴史とともにご紹介できたらと思います。最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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