TANNOY

タンノイ レクタンギュラーヨーク HPD385 

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【TANNOY  HPD385】

今回は、ALTECや、JBLに並ぶ高級スピーカー、TANNOYのレクタンギュラーヨーク(Rectangular York)に搭載の、HPD385について、タンノイのユニットの特徴である、同軸2WAYが生まれるまでの歴史や、ユニットの各部分をご紹介したいと思います。ユニットの内部は凄いことになっていました。楽しい内容となっていますので、是非最後までお付き合い頂けますと幸いです。

目次

●TANNOYの歴史

●TANNOY Rectangular York

●HPD385

●振動板とエッジ

●ホーン型トゥイーター

●エッジパッキン

●磁気回路

●スペック

●最後に

【TANNOYの歴史】

1926年、前身のタルスメア・マニュファクチュアリングがロンドンにて創業いたしました。当時はラジオパーツなどを扱っていたようです。

1932年、ガイ・ルパート・ファウンテンという社名に変更し、タンノイの商標登録をします。ガイ・R・ファウンテン氏がタンノイの社主になります。

TANNOYのスピーカーの歴史は、翌年1933年から、スピーカー部門に進出し、数々の凄い宝物を生んでいきます。当初は、Magnavoxのウーファーを使われていたようですが、1936年には、自社でウーファー製造の開始が始まりました。

1947年、ウーファーの中央にホーン型のトゥイーターが搭載された同軸2WAYのデュアル・コンセントリックが開発され、現在にまで受け継がれています。

上記同軸2WAYのユニットが発売されてから、現在でも沢山の愛好家がいる高級システムが次々と生み出されています。1953年には、オートグラフという名機が誕生しました。このオートグラフは現在でもバックロードホーンの頂点に君臨している、バックロードホーンの愛好家の方はいつか手に入れたいと思う、夢のシステムではないでしょうか。このブログの筆者も、バックロードホーン愛好家の一人として、いつかは手に入れたいと思う夢のシステムの一つにあります。だいぶお話がずれてしまいましたが、タンノイの同軸2WAYが発売されるまでの歴史のご紹介になります。紹介した歴史は氷山の一角にすぎません。今回ご紹介するユニットは、上記の同軸2WAYで、高域のホーンが中央に組み込まれている15インチのユニットになります。

【TANNOY Rectangular York 】

1974年発売され、当時一本の価格が228,000のシステムになります。幅600mm×高さ1075mm×奥行380mmのエンクロージャーで美しく仕上げられた、ゴールデンチークと、ミッドウォールナットの二種類のエンクロージャーがありました。

【HPD385】

タンノイレクタンギュラーヨークに搭載されている15インチのユニットになります。当時、ユニット価格が一本、115,000と非常に高価な物でしたが、内部の作りを見るともっと高くても良いのではないかと思う、凄い作りとなっています。

【振動板とエッジ】

振動板は、周波数特性を広げ、入力信号に素早く対応できる優れたユニットの感性を目指し、タンノイ独自のガードアコースティックコーンを採用しています。これは後ろ側に8本の補強を放射状に入れ、コーン紙全面の補強と共に、大入力時にも優れた特性を発揮できるよう作られています。


この8本の補強は、コーンエッジ部の共振を防ぐ為、エッジと付いており、エッジの張替えの作業も、難易度が非常に高くなります。エッジの張替え作業では、最強クラスの難易度ではないでしょうか。

【ホーン型トゥイーター】

高域のユニットの振動板は、硬質アルミニウムにて、ボイスコイルもアルミニウム線が用いられています。広域ダイヤフラム内部は、19個の穴が開いています。広域のホーンは、ウーファーの根本の角度と統一するよう設計されています。

【エッジパッキン】

エッジのパッキンは、後ろ側から沢山のビスで固定されています。パッキンを外すと、金属の板金に挟まるようにパッキンが取り付けられています。このエッジを止めるパッキン、凄いことにボンドが使われていません。オリジナルの量産品は両面テープが使われています。

【磁気回路】

TANNOYのユニットの磁気回路のカバーを外すと、大きなアルニコのマグネットが見えます。磁気回路周りには、シールが貼ってあり、初めて見たときは、鳥肌が立ちました。マグネットには、それぞれユニットの、各部分の担当者がいるようで、左側から、【Magnet.Assy】【Magnetize】【Magnet/Frame】【Cone/Frame】【Sectors】【diaphragm】【Centring】【Curving】【Dust Dome】とそれぞれ担当者のサインが記載されています。途中、消えてしまっているように見えますが、判子が押されている跡があります。

【スペック】

方式 15インチ同軸2WAY型
周波数特性 20Hz~20,000Hz
最低共振周波数 20Hz
許容入力 85W
出力音圧レベル 92dB
インピーダンス 8Ω
重量/一本 7,52kg

 

【最後に】

今回は、TANNOYの、HPD385のご紹介となりました。内部を見ることで、そのメーカーがどのような会社であったか、どんなユニットなのかとてもよく見え、貴重な情報となります。磁気回路についているシールを見て、タンノイの会社の細かな配慮や、丁寧な部分がとてもよく見えました。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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