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ALTEC (アルテック) 604-8G 時代の変化

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【ALTEC 604-8G】

今回は、1970年代に発売された、アルテックの604-8Gについてご紹介したいと思います。前回ご紹介しました、アルテック604Eよりもやや新しいモデルとなっていますが、604の初期オリジナルの開発は、1944年頃から開発されているシステムとなっており、この年代アメリカでは、各メーカーから複合型スピーカーの開発が盛んな年代であった黄金期と呼ばれていた年代です。現在では到底作る事ができない、贅沢で、凄い複合型のシステムをご紹介したいと思います。

目次

●Duplexとは

●磁気回路

●振動板と支持系

●ダイヤフラム

●ネットワークと変化

●スペック

【Duplexとは】

このユニットは、アルテックの代表的なモデルの一つで、38㎝口径のウーファーの同軸上にホーン型のトゥイーターをマウントした、構造的にも複雑でとても贅沢なフルレンジユニットです。アルテックでは、(デュプレックス)と呼ばれていますが、複合構造の2WAYシステムで、同軸上に音源を得る事ができるので、扱いやすいと思います。

この同軸型のユニット(デュプレックス)の特徴は、ウーファーと、トゥイーターの磁気回路が独立しているのが特徴で、とても大きく質量のある磁気回路(アルニコVマグネット)が二つ組み込まれている最高に贅沢なスピーカーになります。独立させることでのメリットは、それぞれ個別にコントールする事ができます。

【磁気回路】

非常に大きい磁気回路のウーファー部は、515Bに近い磁気回路で、トゥイーター部は802-8Dに相当するもので、互換性があります。システム全体の質量は、14.36㎏(ネットワーク含まず)あります。

【振動板と支持系】

振動板は、おそらくホーレー社の物と思いますが、8Gからフロントマウントできるよう、フレームの改良が見られ、又、時代の変化に合わせて、ワイドレンジに対応できるよう、振動板なども改良されています。見た目はほとんど604Eの色違いに見えますが、いろいろと細かな部分が改良されています。エッジは、フリーエッジにダンプ材が塗られ、しなやかに振動致します。ダンパーは、604Eと同じで、黒い布の波型のダンパーとなっています。

【ダイヤフラム】

広域のトゥイーターには。6個の開口を設けた、マルチセルラホーンが組み込まれています。こちらクロスオーバー周波数は1,500Hzで設定されています。38㎝口径に対してやや小さめなホーンに思えますが、同軸にする事、又、底まで貫通した長いホーンで補えるように設計されています。ダイヤフラムは、タンジェンシャル構造のダイヤフラムでアルテックを感じます。

【ネットワークと変化】

前回ご紹介した604Eとの音質の変化としましては、604Eのモニターらしさを抑え、時代の変化に対応して、高域が伸びているようです。それは、各パーツの変化による影響もややありますが、ネットワークが関係しているようです。イコライジングされていると表現されている方も多いようで、604Eの専用ネットワークと、604-8Gの専用ネットワークでは、高音域の音質が変わるようです。私的は、どちらのキャラクターもそれぞれ個性があり、違ったキャラクターでとても楽しいと思っています。個人的な感想としましては、604Eは、本格的なモニターって感じで、604-8Gは、音の広がりがあり、クリアで聞き疲れしない音と感じました。ネットワークを変える事で、違ったキャラクターになり音の変化を楽しむ事ができると思います。

【スペック】

仕様 38㎝同軸型スピーカー
周波数特性 20Hz~22,000Hz
最低共振周波数 30Hz
インピーダンス
定格入力 40W
出力音圧レベル 103㏈/W/m
クロスオーバー周波数 1,500Hz
外観寸法 φ40.6×28.3㎝
重量 15.4㎏(ネットワーク含む)

 

今回は、604-8Gのご紹介でした。ALTECの604シリーズは、現在では作る事ができない凄い豪華で、大迫力のシステムと思います。現在作ったら金額はとんでもない金額になると思います。アルテックの歴史はとても深く、このブログでもいつの日か604シリーズをコンプリート出来ればと思います。ALTECのユニット一覧は別記事でまとめてあります。まだまだ完璧ではないですが、ご利用頂けるととても嬉しいです。

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