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フェライトとアルニコの磁気回路

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今回は、フェライトマグネットとアルニコマグネットについてご紹介したいと思います。スピーカーを振動させる際の根源となる磁気回路は、ビンテージと言われている当時の年代では主にフェライトとアルニコの二種類がありました。この当時珍しい物で現在では高級機などに使われているネオジウムもありました。

目次

●外磁型と内磁型

●アルニコとは

●超高純度 鉄

●ツボ型ヨークの磁気回路

●外磁型と内磁型

磁気回路は、マグネットの位置によって、外磁型と内磁型に分かれます。上記画像左が、外磁型のフェライトマグネット、右側が内磁型のアルニコマグネットです。コバルトの高騰から現在では主に外磁型フェライトマグネットとなっていますが、フェライトを採用している最大の理由は、コストと、必要最低限の磁束密度を稼ぐことができる物だからです。フェライトマグネットを大きくすることで、磁気の断面積を大きくする事が可能となりますが、マグネットが露出している為、磁気の漏洩の影響は大きく、ブラウン管テレビであった時代のテレビへの影響は非常に大きかったと思います。 そこで底面にもう一つマグネットを追加し、磁気漏洩を防ぐキャンセルマグネットにて改善している物もありました。

●アルニコとは

アルニコとは、【アルミ】【ニッケル】【コバルト】で鋳造された磁束密度の強い磁石となります。アルニコ磁石は地球磁場の約3000倍に相当する磁束密度をもっています。雄一の欠点は、保磁力がそれほど大きくない為、反磁界の大きい薄板形状では自己減磁の為、使用ができないという欠点がありました。 スピーカーユニットに使用する磁気回路では、丸棒型の形状にし、帯状の軟磁性体材料を四角に折り曲げてくびき穴を開けた物、円筒状のヨークとこのくびき穴の内側にある丸棒状のマグネットをくっつけた物を内磁型と呼びます。このような構造(内磁型)にする事で、磁気漏洩を防ぐ事ができます。又、アルニコのマグネットは、フェライトマグネットと比べ、高密度で、均一な磁束分布が可能で優れた磁気特性をもっています。コストは非常に高く、高価であり、磁束密度は非常に高いマグネットとして当時最強と言われていた時代がありました。価格はフェライト磁気回路の20倍ともいわれています。

●超高純度 鉄

アルニコマグネットを支える、四角い個体は、(炭素)、(リン)、(硫黄)などの不純物を元素を10ppm以下のレベルまで低減し、純度99.999%まで上げた純鉄になります。 超高純度にする事で、酸化する耐久性は通常の鉄の10倍以上高くなり、錆びにくいです。

●ツボ型ヨークの磁気回路

上記の99.999%まで上げた超高純度の純鉄を、外側全体を覆うツボ型の形状にした磁気回路です。ツボ型にする事で、磁気抵抗を少なくする事ができます。価格は非常に高価で現在では数十万円を超えるようなシステムなどに使われています。

現在、アルニコで作るととても高価なシステムになってしまう。というのが良くわかるかと思います。今回はフェライトとアルニコという価格の違う磁気回路のご紹介でしたが、昔から言われているフェライトとアルニコではどちらが音が良いのかという議論については、高価なアルニコの方が良いという科学的根拠はございません。人の耳によって、好き、嫌いがあるため、特性を除き、個人の感覚であるということが一番大事だと思います。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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