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いろいろ試したエッジの軟化処理 40年前のビスコロイド(エッジ制動剤)

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今回は、ダイヤトーンによく見られるクロスエッジの軟化処理について数多く試してみてわかった事をこの記事にまとめたいと思います。現在もエッジの硬化によって困っている方が沢山おられるかと思いますので、この記事を参考にして頂けたらとても嬉しいです。そして今回は手に入らない40年前のエッジ制動剤についてもご紹介したいと思います。

目次

●ビスコロイド

●ブレーキフルード

●ゴム、シリコン系の代用

●溶剤で古い制動剤を取り除く

●ビスコロイドの交換

●ビスコロイド

現在一般的に呼ばれているビスコロイドの制動剤ですが、1977年まで存在していたビスコロイド研究所の制動剤の製品名が現在まで呼ばれているのかと思います。当時エッジ制動剤のメーカーは複数あった物と思います。どの会社の制動剤製品が硬化するものだったのかわかりませんが、セルロースから作られる黄色い粘り気のある物質で、レーヨンやセロハンの原料になる物だったようです。この当時MSDSの記載がなかった時代ですので内容物については正確にはわかりませんが、40年近くの時の経過がある現在でも制動剤が硬化せずに生きているのはとても凄いと思います。現在では手に入らないエッジ制動剤です。

●ブレーキフルード

エッジの軟化はブレーキフルードが効くというのはよく耳にされるかと思います。数百円でエッジの裏側から塗れば一時的に柔らかくなってきますが、このブレーキフルードは、フレームに付くと、長期に渡って浸透し、塗膜を根こそぎ剥がすという凄いパワーを持っています。こまめに少量を塗っていき、少しづつ柔らかくなっていくので、低コストで柔らかくできる点では良いのかなとは思います。振動板に付くと黒いシミができ、エッジはテカリ気味になります。

●ゴム、シリコン系の代用

エッジの制動剤では無い、ゴムやシリコン系の物を代用すると、シワの発生し、表面から塗布するとテカリが発生し、溶剤でも取ることができません。下記のような状態になります。

●溶剤で古い制動剤を取り除く

硬化を生む、古いエッジ制動剤を、溶剤を使って、古い制動剤を完全に除去してみました。スピーカーを外して、エッジの後ろに溶剤をためて、綿棒を使って擦って溶かしていきます。擦っていくと溶剤に制動剤が解け込みトロトロの状態になっていきますので、紙に近いキッチンペーパーのような物で拭きとっていきます。柔らかいティッシュペーパーで拭くと張り付いて汚くなりますので、紙質に近いしっかりした物がおすすめです。三回くらい同じ作業を繰り返すと古い制動剤をとることができます。左の黄色の濃い物が一回目になり、三回目になると、やや緑色になります。ここまで取り除いても、クロスに完全に染み込んだ制動剤まで取ることができず、乾くと硬化し、シワになります。

●ビスコロイドの交換

上記の溶剤で古い制動剤を取り除いた後、乾く前に保湿、気密性を維持するため、新しい40年前のエッジ制動剤を使いました。

当時各メーカーの制動剤の硬化の状況をみて、複数のメーカーの制動剤があった物と思います。ビスコロイド研究所や、末広商会といった制動剤の他にもあるかと思いますが現在では手に入りません。この40年前のエッジ制動剤につきましては、少量ですが持っております。少なく数は限られていますが、この制動剤を使うことで良質な軟化処理を施すことができました。今後はエッジの軟化メンテナンスに役立てていきたいと思います。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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