今回は1970年代にVICTORから発売されたシステム、JS-500をご紹介します。このサイトでは現在ではとても希少なビンテージスピーカーにフォーカスを当てて、どのようなシステムでどんなユニットが使われているかなど、内部まで詳しくご紹介しています。

発売は1970年代、当時ペア価格69,200円で発売されました。
振動板に米国ホーレー社製のコーン紙を採用したシステムで、トゥイーターの造りや、振動板の材質がJBLにとても似ています。又、トゥイーターのセンターに輝く大きなセンタードームは、ベリリウムを蒸着処理して硬度を上げるなどとても手の込んだ豪華な仕様となっています。
ユニット構成は低域に25㎝のコーン型ウーファー、高域に6㎝のコーン型トゥイーターの2WAYで構成されています。
エンクロージャーは、正面に36φのマルチダクトを配置し、低域を改善する他音の均一化を図っています。特殊な形状のサランネットによって、回析効果と指向特性など改善しています。
そしてエンクロージャー底面に金属製のインシュレーターを採用することで、振動が接地面を通して外部に伝わる共振や干渉を防止し、機器内で発生する振動を抑制させ、音の忠実性を向上させています。
●ユニット紹介

低域には、25㎝のコーン型ウーファーを搭載しています。コルゲーションの入った振動板はJBLにも採用されているホーレー社製のコーンにて、エッジはクロスエッジに制動剤を含侵させた物が採用されています。磁気回路は、フェライトマグネットとなっています。

高域は6㎝のコーン型トゥイーターを搭載しています。振動板はウーファー同様にホーレー社製のコーン紙が採用されています。センターキャップはベリリウム合金を蒸着処理し硬度を上げています。トゥイーター回りにウレタンを設置することで回析効果を抑制しています。

ネットワークは、クロスオーバー周波数2,000Hzに設定されています。正面バッフルには高域用のレベルコントールを搭載しています。
●詳細スペック
方式 | 2way バスレフ方式 ブックシェルフ型 |
ユニット | 低域 25㎝コーン型 高域 6㎝コーン型 |
再生周波数帯域 | 35Hz~20,000Hz |
最大入力 | 50W |
インピーダンス | 8Ω |
出力音圧レベル | 89㏈/W/m |
クロスオーバー周波数 | 2,000Hz |
サイズ | W380mm×H715mm×D300mm |
重量 | 16.5㎏ |