今回は、VICTORのバブル期に発売されたシステム、SX-211、SX-311、SX-500、SX-700spiritまでまとめてご紹介したいと思います。どういったユニットが搭載されているのかそれぞれ内部のユニットもご紹介しますのでとても濃い楽しい内容となっています。是非お楽しみ頂ければとても嬉しいです。
目次
●黄金期のシステム
●SX-211
●SX-311
●SX-500
●SX-700spirit
●黄金期のシステム
1986年~1991年の、51ヵ月間に渡って好景気が続いたバブル期、又は平成景気。この年代のシステムは少し違っていました。磁気回路には、VICTORの過去にない、アルニコツボ型ヨークの磁気回路が使われています。アルニコマグネットを支える、四角い個体は、(炭素)、(リン)、(硫黄)などの不純物の元素を10ppm以下のレベルまで低減し、純度99.999%まで上げた純鉄で、今回ご紹介するSXシリーズのシステムは、外側の全体を覆うツボ型の形状をした磁気回路で、とても高価な磁気回路となっています。
さらに磁気回路について詳しく知りたい方は別記事でご紹介しておりますので合わせて読んで頂けると凄く嬉しいです。

●SX-211

1988年に発売されました。当時一本価格は27,000と高価なシステムでした。SX-311の同年代に発売され、低域には16㎝クルトミューラー社製コーン紙、磁気回路はつぼ型ヨークのアルニコウーファーで、微細な信号にも優れたレスポンスで対応してくれます。広域のトゥイーターはフェライトマグネットとなっています。3㎝のソフトドーム型で、当時主流であったブラウン管テレビに対応できるようダブルでマグネットをつけたキャンセルマグネットを採用し、磁気漏洩を防いでいました。SX-211はウォールナット調とグレーで塗装されたSX-211GYの二種類があります。
方式 | 2WAY 密閉方式 ブックシェルフ型 |
ユニット | 16㎝コーン型ウーファー 3㎝ソフトドーム型 |
インピーダンス | 6Ω |
最大入力 | 90W |
周波数特性 | 45Hz~30,000Hz |
出力音圧レベル | 87㏈/W/m |
クロスオーバー周波数 | 3,000Hz |
外形寸法 | 幅220×高さ372×奥行234mm |
重量 | 7.0㎏ |
●SX-311

1988年に発売され、当時一本価格が35,000とされています。各ユニットには、西独クルトミューラー社製の振動板が使われています。低域は20㎝のコーン型ウーファーにて、磁気回路はアルニコのツボ型で、磁気漏洩を防いでくれます。高域は3センチのドーム型トゥイーターにてフェライトマグネットとなっています。磁気回路には、SX-211同様、キャンセルマグネットとなっています。SX-311は、ウォールナット調仕上げと、グレー仕上げのSX-311GYの二種類があります。
方式 | 2WAY 密閉方式 ブックシェルフ型 |
ユニット | 20㎝コーン型ウーファー 3㎝ソフトドーム型トゥイーター |
インピーダンス | 6Ω |
最大入力 | 100W |
周波数特性 | 45Hz~30,000Hz |
出力音圧レベル | 90㏈/W/m |
クロスオーバー周波数 | 3,000Hz |
外形寸法 | 幅270×高さ440×奥行248mm |
重量 | 11.0㎏ |
●SX-500


発売は80年代の後期、当時一本価格が49,000と高級機でした。ユニット構成は低域に20㎝のコーン型ウーファー、高域に3.5㎝のソフトドーム型トゥイーターとなっています。低域のウーファーユニット、SX-311と見た目、寸法は変わりませんが、大きく変わったのは高域のユニットになります。高域のトゥイーターは3.5㎝のソフトドーム型トゥイーターとなっており、磁気回路も高価なアルニコのツボ型に変わりました。SX-500シリーズは数々いろいろな種類が出ています。
方式 | 2WAY 密閉方式 ブックシェルフ型 |
ユニット | 20㎝コーン型ウーファー 3.5㎝ソフトドーム型トゥイーター |
インピーダンス | 6Ω |
最大入力 | 100W |
周波数特性 | 45Hz~30,000Hz |
出力音圧レベル | 90㏈/W/m |
クロスオーバー周波数 | 3,000Hz |
外形寸法 | 幅270×高さ454×奥行281mm |
重量 | 12.5㎏ |

SX-500のトゥイーター内磁型の磁気回路内部です。とても高価な作りとなっています。

●SX-700spirit

90年代初期に発売され、当時一本価格が110,000円と超高級機でした。3WAYオールアルニコ磁気回路の豪華な造りで、低域には25㎝コニカルドーム付きのウーファーにて、振動板は西独クルトミューラー社製を採用しています。5個のコニカルドームを付ける事で、軽い振動板の剛性を向上させ、さらに放射特性も改善しています。中域のスコーカーには、5.5㎝のソフトドーム型スコーカーを搭載し、振動系の背圧を逃がす為、磁気回路後面に長いバックキャビティーを設け、マグネットはリング型のアルニコとなります。フレームはダイカスト製のショートホーン型にする事で、放射性に優れています。高域には3.5㎝のソフトドーム型のトゥイーターが搭載され、磁気回路はツボ型となっています。このトゥイーター振動板にはとても薄くて丈夫な絹を使用し、その上に薄いゴムをラミネートした振動板となっています。
方式 | 3WAY 密閉方式 フロア型 |
ユニット | 25㎝コーン型ウーファー 5.5㎝ソフトドーム型スコーカー 3.5㎝ソフトドーム型トゥイーター |
インピーダンス | 6Ω |
最大入力 | 180W |
周波数特性 | 40Hz~30,000Hz |
出力音圧レベル | 90㏈/W/m |
クロスオーバー周波数 | 560Hz/5,000Hz |
外形寸法 | 幅320×高さ580×奥行329mm |
重量 | 20.0㎏ |