スピーカーのスペックに記載されている「出力音圧レベル(能率)」とアンプの出力には密接な関係があります。

一般的なスピーカーでは、スペック表で「90dB / 1W / 1m」といった形で出力音圧レベルが表記されています。

これは基本的に「1Wの電力を入力したとき、スピーカー正面1mの位置でどの程度の音圧が得られるか」を表す数値です。

例えば同じアンプを使用しても、能率85dBのスピーカーと95dBのスピーカーでは、得られる音圧が大きく異なります。その違いを分かりやすく数値化するために作ったのが、今回のシミュレーターです。

画像に触れると起動します。

アンプのW数を増やせば、そのまま音が大きくなるわけではない

オーディオで少し分かりにくいのが「W」と「dB」の関係です

アンプ出力と音圧は比例して増えていくわけではありません。スピーカーの音圧レベル(dB)は、入力する電力を2倍にしても「+3dB」しか大きくならないという対数(ログ)の物理特性があるためです。計算方法は下記になります。

下記は音圧レベル90dB/W/mのスピーカーを1mの位置で鳴らした場合の表です。

1W 90dB
2W 93dB
4W 96dB
10W 100dB
100W 110dB

つまり、アンプ出力を10Wから100Wへ10倍にしても、理論上の音圧上昇は約10dBです。

反対に考えると、スピーカーの能率が数dB違うだけでも、同じ音圧を得るために必要となるアンプ出力には大きな差が生まれます。

スピーカーの能率はアンプ選びにも重要

例えば能率の高いビンテージスピーカーや大型ホーンシステムでは、小さなアンプ出力でも十分な音圧を得られる場合があります。一方、低能率のスピーカーで大きな音圧を得ようとすると、より大きなアンプ出力が必要になり、スピーカーの能率とアンプ出力をセットで考えることが重要です。

もう一つ重要なのが、スピーカーからリスニング位置までの距離です。

スピーカーから離れるほど、直接音の音圧は低下していきます。

例えば

●デスクトップなどの近距離リスニング
●一般的な家庭のリビング
●大型のリスニングルーム
●PAや広い空間

では、同じスピーカーとアンプを使用しても条件が変わります。スピーカーのカタログに記載されている能率だけではなく、実際に何m離れた位置で聴くのかまで考えることで、より現実的なシステム設計ができます。

シミュレーターの使い方は非常に簡単

出力→音圧モードでは、スピーカーの能率とスピーカーからの距離、アンプの出力を入力するだけで到達音圧を自動計算してくれます。

音圧→必要出力モードでは、同様に能率と距離を入力し、出力したい希望の音圧を入力するだけで必要W数を計算してくれます。

異なる能率のスピーカーを比較すると面白いと思います。

例えば能率86dBと92dBでは、その差は6dBあります。

同じ音圧を得ようとした場合、理論上は約4倍のアンプ出力差に相当します。普段カタログで何気なく見ている「出力音圧レベル」というスペックが、アンプとの組み合わせにどれだけ影響しているのかが分かりやすくなります。

断線の原因は過大入力

能率が低いスピーカーで大きな音を出そうとしても出ないことがわかったと思います。許容入力を超え過大入力させたボイスコイルは熱を持ち焼き切れて断線を起こします。断線しているスピーカーの多くはこれが原因です。

シミュレーターの計算結果はあくまで理論上の目安にしてください。

実際の室内では、壁・床・天井からの反射、スピーカーの指向性、周波数、設置場所、部屋の吸音特性など、さまざまな要素が音圧に影響します。

また、スピーカーの出力音圧レベルについても測定条件や表記方法がメーカー・製品によって異なる場合があります。

そのため、本シミュレーターの結果は実際の音圧を保証するものではなく、スピーカーとアンプを組み合わせる際の理論上の目安としてご利用してください。

実際のシステムでは、スピーカーの許容入力やアンプが対応するインピーダンスなども必ず確認してください。

tone qualityでは、スピーカーやオーディオをもっと楽しめるよう、専門的な計算をできるだけ簡単にし、誰でも自由に使えることを目標にシステム開発を行っています。

今回製作したシミュレーターも、無料で自由にお使いいただけます。これらのシステムを利用できるのは、当サイトを知っているお客様のみ活用することができます。

是非オーディオを愛するお友達に共有頂けると嬉しいです。ビンテージオーディオを一緒に盛りあげましょう。

精密に調整したスピーカーの販売も行っております。耳だけではなく、視聴と機械的計測を重ねて精密調整したシステムです。ヤフオクで出品しておりますので、お探しのシステムがありましたら是非お願いいたします。

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